ウマ娘という『作品』に心惹かれている理由を分析

簡潔にいうと、

  1. アプリのオープニングに胸が躍る
  2. アプリのメインストーリーが良い
  3. アニメのストーリーが良い

 

という点。

 

 

 ○アプリのオープニングに胸が躍る

まずオープニングだが、下記のものは公式で上げられている動画になる。

www.youtube.com

映像も曲も衝撃を受けて、このOPをほぼ毎日見ていると行っても良いほど個人的にはこのOPが好きだ。

とりあえず映像のどの部分に心惹かれたのか分析してみる。

(これは客観的なものではなく、あくまでも個人的に気に入ったものを言語化しているという点を踏まえていただきたい)

まずこのOPでの分析をしたい。

 

映像:3Dなのにアニメのようにみえる。

・キャラモデリングがアニメ調なのもそうなのだが、おそらく背景などが一部2D仕様になっているためだと思われる(ビルボードのようなもの?)。

光がどこから当たっても(また夕日などの光の色が変わっても)モデルが2D調に見えるのも凄い技術だと思う。

・一部のシーンで、かの映画監督を彷彿とさせる色彩・背景で感動した。例として

f:id:AnythingGoesRoom:20210504202428p:plain

f:id:AnythingGoesRoom:20210504202454p:plain

f:id:AnythingGoesRoom:20210504202518p:plain

少し話が前後してしまうが、この2枚目の絵、キャラは3Dなのにそれ以外はアニメ映画の如く描きこみなのだが、そこに3Dキャラが入り込んでいて違和感がないのが一体どうなっているのか知りたい。

話は戻るがこの背景と光の描き方が個人的に好きな映画監督に似ていて心を惹かれたのだと思う。

・19秒から28秒の背景の作り方が、2005年以降のPC、美少女ゲームOPで良く見かけたような技法が、また個人的な懐かしさを駆り立てられて気に入ったと思う。

・1シーンごとのシーンの切り取り方(コンテ)がアニメのように見える。

 加えてシーンを止めるとアニメにしか見えないのも驚きだ。

 

次は曲部分を見ていきたい。

 

曲:転調、物語

・壮大なファンファーレから「やっと皆会えたね!」という出だしも凄い。

これは2年間(3年かもしれない?)この日を待ち続けたユーザーへのメッセージが含まれている。

・曲の雰囲気が三転くらいしているが、ファンファーレ後から、「日常・練習」→「想いの継承・準備運動」→「本気の闘い」と言うのが映像と共に感じ取れる。

(継承の部分はゲーム性で後述)

・映像の部分でも少し書いたが、曲も2005年以降のPC、美少女ゲームOPに何か通ずるものがあって懐かしさを引っ張り出された。個人的に『いただきじゃんがりあんR』のOPを思い出される。このOPは良くニコニコ動画で合作やパロに使われていたため馴染み深いと分析してみる。

 

総合

・ファンファーレからの懐かしさラッシュ、そう感じている中でかの監督の如く虹彩技術を見せられ、恐らく色んな感情を叩きつけられて衝撃を受け気に入ったと思う。

また映像も曲も王道系でありスポ根系が比較的好きな自分にはささったのだろう。

 

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

○アプリ内のメインストーリーが良い

1:アプリ内でのストーリーは3種類

「育成ストーリー」:育成ウマ娘を決め育てながら見るプチストーリー。画面は立て画面から映ることなく、ボイスは一部の汎用ボイスが流れる。こちらは育成ゲーム性がメインになるが、キャラとの関係性、史実の再現などが含まれる。

「キャラストーリー」:主に育成まで行く流れやちょっとしたキャラの掘り下げなどが描かれているミニストーリー。画面は横画面を選ぶ事ができボイスはフルボイスになる。演出的にはメインストーリーよりは簡素なものになる。

「メインストーリー」:トレーナーなどの設定が固定され章ごとに決められたキャラにスポットが当てられる。ライブ曲やライブ映像も専用のものがあり、また美麗な1枚絵が所々に用意されている。レース時の3D時演出も手がかかっており、アニメを見ているような感覚になる。またTVアニメと関連している演出なども含まれるなど、一粒で二度美味しい。

2:曲

・各ストーリー要所要所でOP、専用ライブ曲、うまぴょいなどのアレンジバージョンのBGMが流れてる。OP、うまぴょいは全キャラで流れるが、専用ライブ曲のアレンジはそのキャラでしか流れない特別感も、そのキャラを思い入れる要素かもしれない。

余談だが、私はこの『OPなどのアレンジ曲』が非常に好きで効果的だと思っている。

私が愛して止まない永遠の神作『CLANNAD』も、ヒロイン専用のBGMが最後にあんな形で表現されるとは正直思わなかった。

聞き馴染みがある曲が歌ありの曲になると感慨深いと思う。またその逆でその時感激したライブ曲がアレンジバージョンのBGMになるとその時の記憶がフラッシュバックして思い入れが深くなる、と個人的には思う。

 

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

○アニメのストーリーが良い

1:1期、2期とあるが、主に2期に方に書いていきたい。

・1期も2期も13話あるのだが、2期は13話しかないのに山場が凄く多く心を打つ回数が多かった。実際は私は1つのアニメ(1クール)でここまで涙したのはこのアニメが初めてかもしれない。

前記事にも書いたがウマ娘は友情・挫折・復活などの要素が含まれている「熱い王道物語」だと思っている。

基本的にはトウカイテイオー(主人公)というキャラにスポットが当たっているのだが、7話と8話だけは別キャラにスポットが当たる。たった2話だけなのにあそこまで心を抉ってくるのはかなり凄い。そしてそれが終わっても怒涛の展開で視聴者に息を継がせる間を与えてくれない構成だった。

唯一11話だけは息継ぎが出来る休憩回といわれている。

 

2:アプリ版との関係性

・7、8話とスポットが当てられていたキャラがアプリ版のメインストーリーにもスポットを当てられている。そっちではそのキャラが報われている姿を見て、アニメを見た者や史実を知っている者は胸に何かを感じたと思われる。

またアニメで使用されていたED曲もアプリ版でも使われているなど、メディアミックスとして非常に良く運営していると素直に感心・感動してしまった。

 

3:演出

・スピード感、躍動感、スロー演出等々、色々あるがやはり「音楽と兼ね合い」が凄いと良く計算されていると思っている。

どんなに良く描けている作画でも、どんなに良く出来たシナリオでも、音楽一つで台無しになるなんてことは良くある話だが、逆にそれらが合致すれば凄まじい相乗効果が生まれる、というのが持論だ。

そういう点から見ると、とある話数の時の曲の入り、切り替え、停止、切り替えの演出が「本当に凄い」としか浮かばなかった。

・話が戻ってしまうが、アプリ版のストーリー演出も素晴らしかった。

オート文字送りにしている時に、曲が一番盛り上がる場面で画面演出も最高潮になる。

これは個人的になかなか出来ない高等技術だと思っていて、途中途中でボイスが入ると文字数や文字送り秒数、待機秒数など、色々調整などが難しい。アニメのタイムキーパーのような人がやらないとなかなか出来ないと思う。

 

4:史実からリスペクト

リスペクト、と言うには少し語弊があるかもしれない。

史実から細かいパロを持ってきたり、盛り上がる名実況をそのまま持ってきてたり、画面の切り抜き方が当時のカメラ映像をそのまま描いていたり、元を知ってる人には喜ばれるやり方をしている。個人的に、これは競馬が好きでそれに何かを感じた人がウマ娘を表現していると思っている。

 

3:総合

・アプリもアニメも、総じて「映像と音楽の組み合わせ方、タイミングの合わせ方」が上手いと思った。またEDの演出などもちょっとした違いなだけなのに意味合いが違ってくる仕掛けなど、13話しかないのにEDまで楽しめる回が何回かあったのも良かった。

王道であり、奇跡の様な物語。

これが何のバックボーンがない創作物なら、恐らくこの展開は「ご都合主義」と言う人が現れると思う。しかし、このアニメは「史実を基にしている」と言う点でどんなご都合主義な様に見えても「現実に起こった事」と物凄い説得力を帯びている。

創造物だが想像物ではない、だから見た人の心のストッパーを外しやすいと思う、と勝手に考えている。

余談だがニコニコで比較動画(MADなど)を見てみると、本当に実況がそのまんまで驚いた。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

○あとがき

人によりけりだが、はっきりとこの「ウマ娘」という作品は他者にオススメできる。

特に王道や熱い物語が好きな人は見ても損はないと思う。

別記事で書くつもりだが、ウマ娘はストーリーも良いがゲーム性もなかなかの中毒性があるので本当に「作品」として素晴らしい。

 

 

 

 

 

 

 

=======================================================

○少しネガティブ(愚痴)っぽいなにか

・アニメなどの切り抜き動画のコメント欄で「感動する元ネタ使ってるんだから感動するのは当たり前」というコメントをする輩がいるが………絶対にそれはない。

暴論かもしれないが、では料理できない素人と料理のプロが同じ食材を使ったら同じ味の料理ができるのか? 断言できるがそれはない。

史実の感動的な部分をチョイスしたからといって、競馬愛がない人間や技術が低い(表現力が乏しい)人間だったら、おそらくここまで多くの人の心を魅了することは出来なかっただろう。

人の心を動かすという事はそれほどまでに至難の業なのだ。

色々なものが噛み合って初めてそれが叶うと思っている。

アニメやゲームなどの作品は、聴覚と視覚を同時に揺さぶる。

だからどちらかが噛み合わないと相乗効果が生まれず、下手をすると違和感を与え平均より下回りかねない。

だからこそ、それらが噛み合った作品自体は少なく、噛み合った作品は語り継がれているんだと思う。

「神作品には神曲がついている」というが持論。

エピソード記憶と言うのは何かに紐付けられると思い出しやすいと聞くが、曲を聴くとその場面、映像が思い出されるのはそういう効果も含まれているんだと、勝手に結論付けている。

ウマ娘は、出会って良かったと言える作品だ。